フルスタックエンジニアが懺悔する、コミュニケーションでやらかしたあの日の失敗

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

フルスタックエンジニアは、フロントエンド、バックエンド、インフラと幅広い分野を担当するため、技術スキルだけでなく、コミュニケーション能力も極めて重要です。特に、チームで開発を進める際や他職種のメンバーと協力する場面では、適切な伝え方や報連相(報告・連絡・相談)が求められます。しかし、エンジニア特有の「技術的な正しさを優先する姿勢」や「細かい仕様変更を伝え忘れるミス」などが原因で、思わぬトラブルを引き起こすことも少なくありません。

本記事では、フルスタックエンジニアが陥りがちなコミュニケーションにおける典型的な失敗例を挙げ、それぞれの問題点と解決策を詳しく解説します。技術力と同じくらい大切な「伝える力」を磨くことで、より円滑な開発環境を築くことができるでしょう。

技術的な正しさを優先しすぎて対立を生む

問題の概要

エンジニアは論理的思考を重視し、技術的に正しい選択を追求する傾向があります。しかし、技術的に最適な解決策が必ずしもプロジェクト全体にとって最良の選択とは限りません。特に、他の開発メンバーやプロジェクトマネージャーと意見が対立した場合、技術的な優位性だけを主張すると、チームの雰囲気が悪化し、合意形成が困難になることがあります。

失敗の原因

  • 技術的に優れた選択肢を押し通そうとする
  • 他のメンバーの懸念や意見を軽視する
  • ビジネス的な観点を考慮せず、開発者目線のみで判断する

例えば、新しいフレームワークやライブラリの導入を提案した際、チーム内で「学習コストが高い」「既存システムとの互換性が低い」といった懸念が示された場合、技術的なメリットだけでなくコスト・リスク・導入後の影響などを総合的に説明し、納得感のある議論を行う必要があります

解決策

  • 技術的な正しさだけでなく、プロジェクト全体のバランスを考える
  • 相手の立場を理解し、懸念点を事前に洗い出しておく
  • 新技術の導入メリットだけでなく、デメリットも明確に説明し、チーム全体で判断する

エンジニア同士であれば技術的な論理だけで話が通じることもありますが、他職種のメンバーと議論する際は、ビジネス視点やコスト意識を持ち、相手が理解しやすい形で説明することが重要です

仕様変更を適切に共有せずトラブルを招く

問題の概要

システム開発では、仕様変更が頻繁に発生します。しかし、小さな変更だからといって事前に共有せず進めてしまうと、他の開発者やデザイナーに思わぬ影響を与えてしまうことがあります。特に、APIのレスポンス形式やデータ構造を変更する場合、フロントエンド側の実装に影響を与える可能性が高いため、事前の調整が不可欠です。

失敗の原因

  • 「この程度の変更なら影響はないだろう」と判断し、共有を怠る
  • 変更後の影響範囲を十分に把握しないまま進める
  • 口頭やSlackで簡単に伝えるだけで、正式なドキュメントを残さない

このようなミスが発生すると、後になって「データの形式が変わっていてバグが発生した」「変更を知らなかったため、対応が遅れた」といった問題が起こり、チームの信頼を損ねることになります。

解決策

  • 仕様変更を行う際は、影響範囲を事前に洗い出し、関係者全員に共有する
  • 変更内容を明確にドキュメント化し、GitHubのIssueやWikiなどに記録する
  • 口頭やチャットだけでなく、正式なコミュニケーションチャネルを活用する

特に、影響が広範囲に及ぶ変更については、ミーティングを設けて認識を合わせることが重要です。また、APIの変更などはバージョン管理を適切に行い、後方互換性を保つ工夫も求められます。

専門用語が多すぎて相手に伝わらない

問題の概要

エンジニアは普段から専門用語を使い慣れているため、非エンジニアのメンバーに対しても同じ調子で説明してしまうことがあります。その結果、相手に内容が伝わらず、「結局どういう影響があるの?」と聞き返されることも少なくありません。特に、プロダクトマネージャーや営業チームに対して、技術的な詳細ばかりを話してしまうと、コミュニケーションがスムーズに進まなくなります。

失敗の原因

  • 相手の理解度を考慮せず、専門用語を多用する
  • 詳細な技術的説明を重視し、ビジネス視点の話が抜け落ちる
  • 相手が理解しているか確認せず、一方的に話してしまう

解決策

  • 技術的な詳細よりも、結論やビジネス的な影響を先に伝える
  • 専門用語は極力かみ砕いて説明し、図や例を使ってわかりやすくする
  • 相手の理解度を確認しながら、説明を調整する

例えば、「APIのエンドポイントが変更されます」と伝えるのではなく、「これまで取得していたデータの形式が変わるため、フロントエンドの修正が必要になります」というように、相手にとって重要なポイントを明確にすることが大切です

まとめ

フルスタックエンジニアは、開発の全領域をカバーする立場であるため、チーム全体と円滑にコミュニケーションを取ることが極めて重要です。しかし、技術的なこだわりや思い込みが原因で、チーム内の対立を生んだり、トラブルを引き起こしたりするケースも少なくありません

エンジニアとして成長するためには、以下のポイントを意識することが大切です。

  1. 技術的な正しさより、チームの合意形成を優先する
  2. 仕様変更は必ず事前に共有し、影響範囲を考慮する
  3. 相手の理解度に応じた説明を行い、専門用語を適切に使う

技術だけでなく、適切なコミュニケーションスキルを身につけることで、より円滑な開発環境を築き、プロジェクトを成功に導くことができるでしょう