
昔はjQuery、今はReact?フロントエンドの技術変遷
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
フロントエンド技術の進化は驚異的なスピードで進んでおり、10年前の常識が今では通用しないことも珍しくありません。かつて主流だったjQueryは、なぜReactやVueといったライブラリに取って代わられたのか? 本記事では、フロントエンド技術の変遷を振り返りながら、その背景や影響について解説します。
フロントエンド技術の歴史
jQueryが全盛期だった時代
2006年に登場したjQueryは、JavaScriptの操作を簡単にし、クロスブラウザ対応の負担を大幅に軽減しました。特に次のようなメリットがありました。
- DOM操作が簡単(
$('#element').hide();
のようにシンプル) - イベントハンドリングの統一(ブラウザ間の違いを吸収)
- Ajaxの処理が手軽に実装可能
- プラグインが豊富(スライダーやモーダルなど簡単に導入)
これにより、多くのWebサイトや業務システムでjQueryが使われるようになりました。しかし、SPA(シングルページアプリケーション)の登場により、jQueryの限界が見えてきます。
AngularJSの登場とMVCの時代
2010年にGoogleがリリースしたAngularJSは、MVC(Model-View-Controller)アーキテクチャを取り入れ、データとUIのバインディングを容易にする という画期的なアプローチを提供しました。
- 双方向データバインディング(DOMの更新が自動化)
- テンプレートエンジン内蔵(HTMLを拡張できる)
- DI(依存性注入)によるモジュール管理
ただし、AngularJSは学習コストが高く、構文のクセも強かったため、すぐに他のライブラリが台頭してきます。
Reactの台頭とコンポーネント指向の時代
2013年にFacebookがReactをリリースし、コンポーネント指向 という概念がフロントエンドの標準となりました。Reactは次のような特徴を持ちます。
- 仮想DOM(パフォーマンスが向上)
- コンポーネント指向(UIの再利用性が向上)
- 状態管理のシンプルさ(
useState
やuseEffect
で明確に管理)
これにより、jQueryのようにDOMを直接操作するのではなく、状態を管理してUIを構築する手法 が広まりました。
jQueryからReactへ、技術移行の背景
JavaScriptの進化
フロントエンドの進化には、JavaScriptそのものの成長が大きく関係しています。ES6以降、次のような機能が追加されました。
let
/const
の導入(スコープ管理の向上)- アロー関数 (
() => {}
)(可読性向上) - 非同期処理 (
async
/await
)(コールバック地獄の解消)
これにより、ReactやVueのようなフレームワークが書きやすくなりました。
Webアプリケーションの要件変化
かつてのWebサイトは、サーバーサイドレンダリングが主流でした。しかし、動的なUIが求められるようになり、クライアントサイドレンダリングが一般化 しました。
これにより、フロントエンドのロジックがより複雑になり、jQueryだけでは対応しきれなくなった のです。
パフォーマンスと開発効率の向上
jQueryは便利ですが、大規模開発には向きません。状態管理が煩雑になり、コードがスパゲッティ化 しやすくなります。
ReactやVueでは、状態管理ツール(Redux、Vuex)を使うことで、コンポーネント間のデータの流れを明確にできる ため、開発効率が向上しました。
これからのフロントエンド技術はどうなる?
Reactの覇権は続くのか?
Reactは現在も人気がありますが、新たなライブラリやフレームワークが登場 しています。
- Svelte(仮想DOMを使わずに高速レンダリング)
- Solid.js(Reactライクで超高速なフレームワーク)
- Qwik(パフォーマンス最適化に特化)
今後は、より軽量でパフォーマンスに優れたフレームワークが求められる かもしれません。
Web標準技術(Web Components)の台頭
フレームワークに依存せず、ブラウザ標準のWeb Componentsを活用する動き もあります。
- Lit(軽量なWeb Componentsライブラリ)
- Stencil(フレームワーク非依存のコンポーネント作成)
企業の長期的なプロジェクトでは、特定のライブラリに依存しないWeb標準の技術が採用される可能性 もあります。
まとめ
フロントエンド技術の進化は目まぐるしく、jQuery全盛の時代からReactが標準となるまで、大きな変化がありました。
- jQueryはシンプルなDOM操作に優れていたが、SPAには不向き
- Reactが登場し、コンポーネント指向が主流に
- パフォーマンスや開発効率の向上が技術移行の背景
- 今後はSvelteやWeb Componentsなどの新技術も注目される
今後のフロントエンド技術のトレンドを追い続けることで、効率的な開発を実現し、エンジニアとしての市場価値を高めることが重要 です。