
「ちょっと修正するだけだから…」エンジニアを地獄に突き落とす悪魔の言葉
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
エンジニアとして働いていると、一見無害に聞こえる言葉が実は大きなトラブルの引き金になることがあります。その中でも「ちょっと修正するだけだから…」は、多くのエンジニアが恐れる言葉の一つです。この言葉を聞いた瞬間、経験豊富なエンジニアほど背筋が凍るでしょう。
今回は、この「ちょっとした修正」がどのようにしてエンジニアを地獄へ突き落とすのか、そして回避策について解説していきます。
「ちょっと修正するだけだから…」がもたらすカオス
仕様変更が無限に膨らむ
「ちょっと修正するだけだから」という言葉が使われる場面では、ほとんどの場合、具体的な要件が決まっていないことが多いです。
- 「このボタンの色を少し変えるだけでいいから」 → 実際にはデザインガイドライン全体を見直す必要がある。
- 「この機能、ちょっとだけ追加できる?」 → その「ちょっと」の裏には膨大なデータ構造の変更が潜んでいる。
- 「動作は変えずに、UIだけ少し調整してほしい」 → 既存のコードが複雑すぎて、修正したら別のバグを誘発。
結局のところ、「ちょっと」では済まないケースが圧倒的に多いのです。
影響範囲が予測不能
システムは複雑に絡み合っています。表面的には小さな修正に見えても、影響がどこまで広がるかは分かりません。
例えば、
- 1行の変更が全体の処理速度に影響を与える
- 小さな修正が依存関係の崩壊を引き起こす
- 一部の環境では正常に動作するが、他の環境ではエラーが発生する
エンジニアが慎重になるのは、こうした経験を何度も積んできたからです。
なぜこの言葉がエンジニアを苦しめるのか
見積もりの甘さ
「ちょっとだからすぐ終わるよね?」と言われると、つい短時間で対応できると錯覚してしまいます。しかし、「ちょっと」の裏には見えない課題が山積みなのです。
- 修正による副作用をテストする必要がある
- 仕様の詳細を確認しないと問題が発生する可能性がある
- 簡単に見えても、既存のコードと相性が悪いことがある
このため、「ちょっと修正するだけ」のつもりが、何時間、何日もかかる作業に発展することも珍しくありません。
コードの品質が低下する
短時間での対応を求められると、どうしてもコードの品質が犠牲になります。
- 充分なテストができない
- 既存の設計を無視した「とりあえずの修正」になってしまう
- 技術的負債が積み重なり、後々の開発コストが増大する
この悪循環が続くと、エンジニアはどんどん疲弊し、システムの安定性も損なわれていきます。
「ちょっと修正するだけだから…」を回避するための戦略
影響範囲を明確にする
まず、修正の影響範囲を正しく見積もることが重要です。
- どのファイル・機能に影響があるのかを明確にする
- 他のシステムや外部サービスとの依存関係を確認する
- 修正による副作用を事前にシミュレーションする
これにより、「ちょっと」の範囲を正しく理解し、リスクを最小限に抑えることができます。
「ちょっと修正」に対して適切な見積もりを提示する
「ちょっとだからすぐできるよね?」という期待に対し、エンジニア側が適切な見積もりを提示することで、不当なプレッシャーを回避できます。
- 「その修正には、影響を確認するのに〇時間、実装に〇時間、テストに〇時間かかります」
- 「見た目は小さな変更ですが、内部のデータ構造を変更する必要があるため、〇日かかります」
- 「簡単に見えても、リリース前に回帰テストが必要なので、〇日後に対応できます」
適切な見積もりを出すことで、無理なスケジュールを回避できるのです。
仕様を明確にする
「ちょっと修正するだけだから」と言われたら、何をどう修正すればいいのかを明確にすることが必要です。
- 「具体的にどの部分をどのように変えたいですか?」
- 「この変更に関連する他の機能はありますか?」
- 「変更後の動作をどう確認しますか?」
細かい確認を行うことで、後から仕様が変わるリスクを減らすことができます。
まとめ
「ちょっと修正するだけだから…」は、エンジニアを地獄へ突き落とす危険な言葉です。この言葉の裏には、見積もりの甘さ、影響範囲の見落とし、コード品質の低下など、多くの問題が潜んでいます。
しかし、適切な見積もり、影響範囲の確認、仕様の明確化を徹底することで、この「悪魔の言葉」に対抗することができます。
エンジニアとしては、無理に短時間で対応しようとせず、「ちょっと」では済まないことをしっかり説明することが大切です。