【エンジニアあるある】「ドキュメントはあとで書けばいい」が定着している開発現場

2024年11月15日

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

ITエンジニアの開発現場では、常にスピードと品質のバランスを求められます。その中で「ドキュメントはあとで書けばいい」といった姿勢が暗黙の了解として定着しているケースも少なくありません。一見合理的に思えるこの姿勢が、プロジェクトの効率や品質にどのような影響を及ぼすのか、そしてそれをどう改善していくべきなのかを本記事で掘り下げていきます。

「ドキュメントはあとで書けばいい」となる背景

リリースのスピードを最優先する現場の文化

特にスタートアップやアジャイル開発の現場では、リリースのスピードが重要視されます。「まずは動くものを作ること」が優先され、ドキュメントの作成は後回しになることが多いです。「時間ができたら書こう」と思いながら、次のタスクやプロジェクトが始まってしまうのが現実です。

仕様変更が多いプロジェクト

現代の開発プロジェクトでは、要件が固定されずに進むケースが増えています。仕様が頻繁に変わると、作成したドキュメントがすぐに古くなってしまうため、更新の手間を考えて「最終的な仕様が固まった後にまとめて書けばいい」と考える傾向があります。

エンジニアの考え方の影響

多くのエンジニアは、コードを書くことに時間を割きたがります。特に経験豊富なエンジニアほど、設計意図や実装方針は「コードを見ればわかる」と思いがちです。その結果、ドキュメント作成は「必要なら他の人が書くかもしれない」という感覚で放置されることがあります。

ドキュメント作成の優先順位が低い

プロジェクトの進行中に突発的なタスクやトラブル対応が発生すると、ドキュメント作成が優先順位の低いタスクとして扱われがちです。「とりあえず動くものがあるなら問題ない」という意識が、ドキュメントの軽視を助長します。

ドキュメント不足がもたらす影響

新メンバーのオンボーディングが困難に

チームに新しいメンバーが加わる際、ドキュメントが整備されていないとプロジェクトの背景や設計方針を理解するのに大きな時間がかかります。結果として、即戦力としての活躍が遅れるだけでなく、既存メンバーが説明やサポートに追われることになります。

トラブル対応の遅延

システム障害が発生した際、ドキュメントがないと原因特定や修復に時間がかかります。特に複雑なシステムでは、問題箇所の特定に膨大な時間を要し、ビジネスへの影響が拡大する恐れがあります。

ナレッジの喪失

ドキュメントがないままメンバーが退職すると、重要なナレッジが失われる可能性があります。口頭や記憶に頼った共有は非効率であり、プロジェクトが長期的に停滞する原因となり得ます。

繰り返される同じ議論

仕様や設計が明文化されていない場合、同じポイントについて何度も議論が繰り返されることがあります。これにより、無駄な時間と労力が発生し、プロジェクト全体の効率が低下します。

ドキュメントを後回しにしないためのアプローチ

「今書く」を習慣化する

ドキュメント作成を後回しにしないためには、日常的な開発フローに組み込むことが重要です。たとえば、以下のような習慣を取り入れてみましょう:

  • 新しい機能を実装する際に、簡単な設計メモを残す
  • コードレビュー時に、関連するドキュメントの作成や更新を確認する

「少しずつでも書く」を徹底することで、ドキュメントが蓄積されていきます。

チーム全体でのルール化

チームとしてのルールを設けることで、ドキュメント作成を全員の共通認識にすることができます。たとえば:

  • Pull Requestをマージする条件として、ドキュメントの更新を必須にする
  • ドキュメントの作成をプロジェクトのスプリント目標に含める

これにより、ドキュメントが「個人の責任」ではなく「チームの責任」として捉えられるようになります。

ツールを活用して効率化

ドキュメント作成の手間を軽減するために、適切なツールを活用することも大切です。たとえば:

  • SwaggerやPostman:APIの仕様書を自動生成
  • NotionやConfluence:プロジェクト全体の情報整理
  • GitHubのREADME:コードベースに関連する情報を簡単に記載

これらのツールは使い勝手が良く、チーム全体で情報を共有しやすい環境を作ります。

ドキュメントの価値を再認識する

「ドキュメントを書くことは無駄ではなく、投資である」という認識を持つことが重要です。たとえば:

  • 長期的にはトラブル対応や新規開発の効率化につながる
  • チーム内外のコミュニケーションを円滑にする

ドキュメントが持つ価値を正しく理解することで、作成へのモチベーションが向上します。

まとめ

「ドキュメントはあとで書けばいい」という考えは、一時的には合理的に見えるかもしれません。しかし、それが習慣化すると、チームやプロジェクト全体に深刻な影響を及ぼします。最小限の努力で最大の効果を生むドキュメント管理の工夫を取り入れ、日々の業務に活かすことが重要です。

エンジニアリングの現場では常に効率化が求められますが、ドキュメント整備もその一環であると考え、積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか?今日から少しずつでも意識を変えていくことで、チーム全体の生産性と幸福度を向上させることができるでしょう。