
新人エンジニアが知らない“死語”になった技術ワード
エンジニアリングの世界では、新しい技術が次々と生まれる一方で、かつて主流だった技術や用語が「死語」になっていくことも珍しくありません。特に、10年以上エンジニアを続けていると、かつては当たり前だった言葉が、今の新人エンジニアには通じない という場面に遭遇することがあります。
「このシステムは CGI で動いてるんだよね」と言っても、「CGI って何ですか?」と返される…。そんな経験をしたベテランエンジニアもいるのではないでしょうか?
本記事では、今の新人エンジニアが知らない可能性が高い、かつては重要だった技術ワード を紹介します。
ガラケー向け技術(iモード、Flash、WAP など)
「iモード対応しています!」…って、そもそも iモードって何?」
今やスマートフォンが当たり前の時代ですが、かつては ガラケー(フィーチャーフォン) 向けのウェブサービスが主流でした。そのため、当時のエンジニアはガラケー向けの技術に対応する必要がありました。
- iモード(NTTドコモ)
- EZweb(KDDI)
- Yahoo!ケータイ(ソフトバンク)
- WAP(Wireless Application Protocol)
また、ガラケー時代には Flash(Adobe Flash Player)を使ったリッチコンテンツが流行していました。しかし、HTML5 の登場とともに Flash は時代遅れとなり、2020年には公式サポートが終了 しました。
「Flashで動かしたいんですが」 と言うと、新人エンジニアに 「それって、もう動かないですよね?」 と返されるのが現実です。
CGI(Common Gateway Interface)
「昔のウェブサイトって CGI で作ってたよね!」→『CGI って何ですか?』
今では PHP や Node.js、Python(Flask/Django)など を使ってウェブ開発をするのが一般的ですが、かつては CGI(Common Gateway Interface) が主流でした。
CGI とは、ウェブサーバーとプログラムを連携させる仕組み で、Perl や C言語 などを使って動的コンテンツを作成していました。
しかし、CGI は処理が重く、スケーラビリティに乏しい ため、現在では PHP や Ruby on Rails、Laravel(PHP)などのフレームワーク に取って代わられました。
CGI という言葉自体を聞いたことがない新人エンジニアも多いでしょう。
フレームワーク黎明期の技術(Struts、Smarty など)
「このプロジェクト、Struts で作られてるよ」→『Struts って何ですか?』
現在のウェブ開発では、Laravel(PHP)、Spring Boot(Java)、Django(Python) などのモダンなフレームワークが主流ですが、かつては Apache Struts(Java) や Smarty(PHP) が人気でした。
- Struts(Java):2000年代前半に流行した Java の MVC フレームワーク
- Smarty(PHP):PHP のテンプレートエンジン(現在もあるが、利用は減少)
Struts はセキュリティリスクや開発のしづらさから衰退し、Spring Framework に取って代わられました。Smarty も、一部で使われていますが、現在は Blade(Laravel)や Twig(Symfony) などのテンプレートエンジンのほうが主流です。
レガシーなバージョン管理システム(CVS、SVN)
「このプロジェクト、SVN で管理してるよ」→『SVN って何ですか?』
現在では Git(GitHub、GitLab、Bitbucket など) が標準ですが、かつては CVS や Subversion(SVN) が使われていました。
- CVS(Concurrent Versions System):1990年代~2000年代に主流だったバージョン管理システム
- SVN(Apache Subversion):CVS の後継として登場したが、Git に置き換えられる
SVN は今でも一部の企業で使われていますが、新しいプロジェクトでは ほぼ Git 一択 になっています。
「コミットログを SVN で確認しておいて」 と言っても、「え? どうやって?」 と返される時代になりました。
Java Applet(ジャバ アプレット)
「このシステム、Java Applet で動いてるんだけど…」→『え、それまだ使えるんですか?』
かつて Java Applet は、ブラウザ上で動的コンテンツを実行するための技術 として利用されていました。しかし、以下の理由で完全に衰退しました。
- セキュリティリスクが高い
- ブラウザが対応を終了(Google Chrome、Firefox など)
- HTML5、JavaScript、WebAssembly の台頭
現在、Java Applet を動かす方法はほぼ存在しません。にもかかわらず、一部の古い業務システムでは未だに Java Applet を使っているケースがある のも事実です。
まとめ
エンジニア業界では、新しい技術が登場する一方で、かつて主流だった技術や用語が「死語」になっていくのは避けられません。
- ガラケー向け技術(iモード、Flash、WAP) はスマホの普及で消滅
- CGI(Perl) はモダンなフレームワークに置き換えられた
- Struts(Java)や Smarty(PHP) は新しいフレームワークに淘汰された
- SVN や CVS は Git に取って代わられた
- Java Applet はセキュリティ問題で完全終了
もし ベテランエンジニアがこれらの単語を使っても、新人エンジニアには通じない 可能性が高いです。しかし、これらの技術があったからこそ、今の技術が発展していることも忘れてはいけません。
「今の技術も10年後には死語になるかもしれない…」と考えると、常に学び続けることがエンジニアとしての成長につながる のではないでしょうか。