
「簡単な仕様変更」に隠された地雷を発見した日
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
「この仕様変更、簡単だからすぐ終わるよね?」
そう言われて軽い気持ちで着手したら、次々と想定外の問題が発生し、気づけば泥沼に…そんな経験はありませんか? 一見簡単そうに見える仕様変更ほど、裏に大きな地雷が潜んでいる ものです。
本記事では、実際に起こりがちな「簡単な仕様変更」に潜むリスクと、それを回避するためのポイントについて解説します。
仕様変更が「簡単そうに見える」理由
多くの場合、仕様変更が「簡単だ」と判断されるのは以下のような理由からです。
- 変更点が見た目やロジックの一部に限定されている
- 画面上の要素を少し追加・削除するだけに見える
- 既存の機能を少し調整するだけに思える
- 依頼者や上層部が「ちょっと直せば済む」と考えている
しかし、実際にコードを触り始めると「想定外の影響」が次々と発生する のが仕様変更の怖いところです。
「簡単な仕様変更」に潜む地雷
既存コードの複雑な依存関係
「この関数を少し修正するだけ」と思ったら、その関数が他の複数の機能と密接に絡み合っていた ため、影響範囲が予想以上に広がるケースがあります。
例えば、以下のような問題が発生します。
- 変更したコードが別の処理にも影響を及ぼし、思わぬバグが発生
- 意図しない箇所のレイアウト崩れや動作不良
- 依存関係が複雑で、ちょっとした修正が広範囲に影響
特に古いプロジェクトや技術的負債が溜まったコードでは、ちょっとした変更が全体のバランスを崩す原因になりがちです。
予想外のデータ構造の問題
「この項目を新しく追加するだけ」と思っていたら、データベースのテーブル設計が変更を想定しておらず、カラムの追加やデータ移行が必要になる ケースも少なくありません。
具体的には、以下のような問題が考えられます。
- 新しいフィールドを追加するためにデータベースのマイグレーションが必要
- 既存データとの整合性を保つために変換処理が必要
- 予期せぬNULL値やデータ不整合が発生
フロントエンドの変更だけで済むと思っていたのに、バックエンドの大改修が必要になり、結果として工数が大幅に増加することもあります。
外部システムやAPIとの互換性問題
外部APIを使用しているシステムでは、「ちょっとした変更」がAPIの挙動に影響を与え、エラーやパフォーマンスの問題を引き起こす ことがあります。
- 仕様変更によってリクエストパラメータが変わり、APIが期待通りに動かなくなる
- 外部サービスの仕様変更に気づかず、互換性が崩れる
- 追加のAPIコールが発生し、レート制限に引っかかる
特に、外部サービスの仕様変更は事前に把握しづらいため、細かい検証が必要になります。
ユーザーインターフェースの一貫性崩壊
「ボタンを一つ増やすだけ」「フォームに入力項目を一つ追加するだけ」…こうした変更も、UXの観点からは慎重に検討すべきポイントです。
- レスポンシブデザインの崩れ
- 既存のUIとの不整合
- ユーザーが迷いやすい導線の発生
特に、デザインガイドラインが明確でないプロジェクトでは、小さな変更がUI全体の統一感を損なうことがあります。
テストの見落としによるバグ発生
仕様変更が「簡単」だと思われると、テストの優先度が低くなりがち です。しかし、仕様変更は意図せぬ影響を及ぼすことが多いため、適切なテストが不可欠です。
- 変更部分だけテストして、他の機能に影響を与えたことに気づかない
- E2Eテストを実施せず、結合時に問題が発覚
- 仕様変更の意図が伝わらず、期待通りの動作にならない
「この変更、どんな影響が出るか?」を事前にしっかり検証することが重要です。
「簡単な仕様変更」の地雷を回避するために
変更の影響範囲を事前に洗い出す
仕様変更を受けた際は、変更点だけでなく、それが影響を及ぼす範囲を広くチェックすることが重要 です。
- 依存関係を確認し、影響範囲を特定する
- 関連するコードを事前にリファクタリングする
- 変更がデータベースやAPIに及ぶ場合は、設計レベルでの見直しを行う
「どこに影響するか」を洗い出してから実装に入ることで、想定外のトラブルを減らせます。
詳細な仕様確認と関係者との認識合わせ
- 仕様変更の背景と目的を明確にする
- 影響を受けるチーム(フロントエンド・バックエンド・QAなど)と連携を取る
- 仕様が曖昧な場合は、事前に要件を固める
「この変更、どのくらい影響があるか?」をしっかり議論することで、後から発生する問題を最小限に抑えられます。
検証とテストを徹底する
- 変更部分だけでなく、関連機能全体のテストを実施
- ユーザーテストや負荷テストを行い、予期せぬ問題を防ぐ
- ステージング環境での動作確認を必ず行う
仕様変更が小さく見えても、影響範囲を考慮したテストを行うことが重要です。
まとめ
「簡単な仕様変更」に見えても、その裏には想定外の地雷が潜んでいることが多い ものです。
- 既存コードの依存関係を見落とさない
- データ構造やAPIの影響を考慮する
- UI/UXの一貫性を保つ
- 適切なテストと検証を行う
これらを意識することで、「簡単なはずだった変更」が泥沼化するリスクを避けることができます。仕様変更に取り組む際は、慎重に影響範囲を見極め、適切な準備をすることが大切です。