データベース移行、夜中にこっそり実行したら朝起きたら大変なことになってた

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

データベース移行はシステム運用において避けて通れない作業ですが、深夜にこっそり実行した結果、朝には大惨事になっていたという話は意外と少なくありません。

移行作業は慎重に計画し、適切な準備と検証を行うことが重要です。しかし、時間をかけたくない、業務時間中に実行すると影響が大きいなどの理由で、こっそり夜間に移行を試みることがあります。その結果、朝になってからシステムダウンやデータ消失が発覚し、復旧対応に追われることになりかねません。

本記事では、データベース移行でよくある失敗例と、その対策について詳しく解説します。

データベース移行の失敗例

テーブルの一部データが消失

夜間に移行スクリプトを実行し、エラーが出たものの、軽微だと思って放置して就寝。しかし、翌朝確認すると、特定のテーブルのデータが部分的に消えていたというケースです。

この原因として考えられるのは、

  • WHERE句のミスで一部のデータが削除された
  • データ移行スクリプトのトランザクションが適切に管理されていなかった
  • 一部のレコードが正しくコピーされず、欠損したままになっていた

データ消失は最も深刻な問題の一つであり、適切なバックアップと事前検証が必須です。

インデックスが作成されず、パフォーマンスが低下

データ移行後にテーブルのパフォーマンスが異常に遅くなったケースもあります。

主な原因としては、

  • インデックスの再作成を忘れた
  • 自動インデックスが適用されなかった
  • クエリがフルスキャンになり、パフォーマンスが低下

特に大規模データを扱う場合、インデックスの適用ミスは移行後のシステム全体に大きな影響を及ぼします

外部キー制約の問題でデータが整合性を失う

データベース移行では、外部キー制約が適切に処理されていないと、データの整合性が崩壊します。

例えば、

  • 参照先のデータがまだ移行されておらず、孤立したレコードが発生
  • 制約違反により、一部のデータが移行されなかった
  • 制約の順序を考慮せずにデータをインポートしたため、エラーが発生

外部キーの依存関係を正しく把握し、適切な順序でデータを移行することが重要です。

アプリケーション側の接続設定ミス

データベース移行後、アプリケーションが正常に動作しなくなったケースもあります。

主な原因としては、

  • 新しいデータベースの接続情報が正しく設定されていない
  • 認証情報が古いままで、アクセスできない
  • 旧データベースへの参照が残っている

移行後のテスト不足により、運用開始後に問題が発覚することも多いため、事前検証が欠かせません。

データベース移行の失敗を防ぐための対策

事前テストを徹底する

移行作業前にテスト環境でリハーサルを行うことが必須です。

  • 移行スクリプトを事前に実行し、エラーが出ないか確認
  • テスト環境で実データを移行し、結果を比較
  • パフォーマンステストを実施し、遅延の有無をチェック

本番環境に適用する前に、移行の流れをシミュレーションして問題を洗い出すことが重要です。

移行スクリプトはトランザクションを活用

データの整合性を保つために、トランザクションを適切に設定することが求められます。

  • BEGIN TRANSACTION を活用し、エラー発生時には ROLLBACK できるようにする
  • 外部キー制約を一時的に無効化し、順序を考慮してデータを移行
  • 移行後にデータの正確性を確認し、問題がなければ COMMIT する

このようにすることで、問題が発生しても簡単にロールバックできる体制を整えることができます

バックアップを確実に取得する

データベース移行前にはフルバックアップを取得し、即座に復元できる状態にすることが不可欠です。

  • 物理バックアップ(スナップショットなど)を取得する
  • 論理バックアップ(SQLダンプやエクスポート)を併用する
  • バックアップの復元テストを事前に行い、問題なくリカバリーできることを確認

バックアップがあれば、万が一データが消失しても迅速に復旧できます

夜間ではなく、監視体制のある時間に実行

夜間にこっそり実行するのではなく、エンジニアが監視できる時間帯に移行作業を行うことが理想です。

  • 業務時間外であっても、チームが対応可能な時間を選ぶ
  • 移行作業中はリアルタイムでログを確認し、異常があれば即対応
  • 問題が発生した際に、復旧作業を速やかに開始できる体制を整える

こっそり実行すると、朝起きたら手遅れになっている可能性が高くなるため、監視体制を整えたうえで移行を実施することが重要です。

まとめ

データベース移行は慎重に行うべき作業ですが、夜間にこっそり実行すると、翌朝大惨事になるリスクが高いです。

よくある失敗例として、

  • データ消失
  • パフォーマンス低下
  • 外部キー制約の問題
  • アプリケーション接続ミス

などが挙げられます。

これらの失敗を防ぐために、

  • 事前テストを徹底
  • トランザクションを活用
  • バックアップを確実に取得
  • 監視体制のある時間帯に実施

といった対策を実施することが重要です。

データベース移行はリスクが伴いますが、適切な準備と手順を踏むことで、安全に実施できます。焦らず慎重に計画を立て、失敗のない移行を心がけましょう!