
一人情シス、情シスなのに社内IT機器の脆弱性診断もやる羽目に
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
企業のITインフラを支える情報システム部門(情シス)。本来の業務は社内のITシステム管理や業務ツールの運用が中心ですが、一人情シスともなるとその守備範囲はどこまでも広がります。ある日突然、経営層から「セキュリティ強化のために社内IT機器の脆弱性診断もやってくれ」と頼まれることも珍しくありません。
「え、セキュリティって専門のチームがやるものでしょ?」「脆弱性診断って具体的に何をするの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。しかし、企業の規模によっては専門のセキュリティ担当が存在せず、情シスがその役割を担わざるを得ない現実があります。
本記事では、一人情シスが社内IT機器の脆弱性診断を担当する際の課題と対策について詳しく解説します。最低限やるべきことから、効率的に診断を進める方法まで紹介するので、ぜひ参考にしてください。
一人情シスの業務範囲は広すぎる
本来の業務
一般的に情シスが担う業務には、以下のようなものがあります。
- 社内ネットワークやサーバーの管理
- 業務システムの導入・運用・保守
- PCやソフトウェアの設定・サポート
- ヘルプデスク対応(パスワード忘れ、PC不具合など)
- データバックアップや障害対応
このように、日常業務だけでも相当な負担があります。それに加えて、企業のIT環境が複雑化するにつれ、セキュリティ関連のタスクまで情シスに押し付けられるケースが増えています。
追加されるセキュリティ業務
経営層が「うちの会社もセキュリティ強化しないとまずいよね」と思い立ったが最後、以下のような業務が突如追加されることがあります。
- 社内のパソコンやサーバーの脆弱性スキャン
- セキュリティパッチの適用管理
- ファイアウォールやVPNの設定見直し
- フィッシングメール対策
- 社員向けのセキュリティ教育
中でも、脆弱性診断は専門的な知識が求められるため、情シスにとっては大きな負担となります。
脆弱性診断をやることになったら
そもそも脆弱性診断とは?
脆弱性診断とは、システムやネットワークに潜むセキュリティ上の欠陥を見つける作業です。これを放置すると、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクが高まり、企業の信頼が損なわれる可能性があります。
脆弱性診断には以下のような種類があります。
- ネットワーク診断(ファイアウォール・ルーターの設定ミスや開放ポートのチェック)
- Webアプリ診断(SQLインジェクション、XSSなどの脆弱性チェック)
- OS・ソフトウェア診断(WindowsやLinuxのアップデート状況の確認)
- 内部脆弱性診断(社内PCやサーバーのセキュリティ設定チェック)
まずはここから!最低限やるべき脆弱性チェック
OS・ソフトウェアのアップデートを徹底
Windows、Linux、MacOSなどのOSは、定期的にセキュリティアップデートを適用することが重要です。また、ブラウザやJava、Adobe製品など、攻撃対象になりやすいソフトも最新状態を維持しましょう。
不要なポート・サービスの停止
「使っていないけどそのまま放置しているサーバーや設定」はありませんか?開いているポートや無駄なサービスは攻撃の入口になるため、不要なものはすべて停止しましょう。
社内PCのウイルス対策ソフトを最新にする
ウイルス対策ソフトが古いままだと、新しい脅威に対応できません。社内のPCが適切に保護されているか定期的にチェックし、必要に応じて更新を促しましょう。
パスワードポリシーの見直し
「123456」や「password」のような単純なパスワードを使っている社員がいると、それだけで会社全体のセキュリティが危険にさらされます。パスワードの長さ・複雑さのルールを決め、二要素認証を導入すると安心です。
効率的に脆弱性診断を進める方法
自動ツールを活用する
手作業で脆弱性診断を行うのは現実的ではありません。以下のような無料・有料のツールを活用すると、効率よく診断ができます。
- Nessus(ネットワークやOSの脆弱性スキャンに強い)
- OpenVAS(オープンソースの脆弱性スキャナー)
- Burp Suite(Webアプリの脆弱性診断向け)
- Shodan(外部から見える企業の脆弱性をチェック)
外部のセキュリティ専門会社に相談する
一人情シスがすべてを背負うのは大変です。予算が確保できるなら、脆弱性診断の専門会社に依頼するのも一つの手です。
上司や経営層にリスクを説明し、負担軽減を図る
経営層に「このままだと情報漏洩のリスクが高い」と説明すれば、追加の人員や外部委託の予算を確保できる可能性があります。
まとめ
一人情シスにとって、社内IT機器の脆弱性診断は負担が大きい業務ですが、放置すると企業のセキュリティリスクが高まります。最低限、以下のポイントを押さえて対応しましょう。
- OSやソフトウェアの更新を徹底
- 不要なポート・サービスは停止
- ウイルス対策ソフトを最新にする
- パスワードポリシーを強化する
- 自動ツールを活用して効率化する
- 外部の専門家の力を借りることも検討する
一人で抱え込まず、できる範囲で対策を進めることが大切です。少しずつでもセキュリティを強化し、安心して業務に集中できる環境を整えていきましょう!