
一人情シス、情シスなのにプログラミングもやる羽目に
こんばんは!IT業界で働くアライグマです!
「情シス」とは、企業の情報システム部門を指す言葉ですが、最近では一人情シスという言葉をよく耳にするようになりました。本来ならば社内のITインフラの管理やヘルプデスク業務が主な役割ですが、いつの間にかプログラミングまで担当することになったというケースも少なくありません。
なぜ情シスがプログラミングをやる羽目になるのか、どのようなスキルが求められるのか、本記事で詳しく解説します。
一人情シスの現実
業務範囲が広すぎる
一人情シスの最大の特徴は、業務範囲が異常に広いことです。通常の情報システム部門であれば、業務ごとに担当が分かれていますが、一人情シスでは以下のような業務をすべて一人でこなす必要があります。
- 社内ネットワークの管理(ルーター、Wi-Fi、VPNなど)
- PCやソフトウェアのセットアップ(OSのインストール、ライセンス管理)
- 社内ヘルプデスク(「パソコンが動かない!」などの問い合わせ対応)
- サーバーやクラウドサービスの運用管理(AWS、GCP、オンプレミスサーバー)
- セキュリティ対策(ウイルス対策、ゼロトラストの導入など)
- 業務システムの保守・運用(ERP、CRM、SaaSツールの管理)
本来、プログラミングはシステム開発部門の仕事ですが、これだけの業務を任されると、「システムを自動化するためにプログラミングもやってくれ」という話になりがちです。
社内の「とりあえず情シスに頼もう」文化
情シスは「なんでも知っているITの専門家」と思われがちです。そのため、社員が「ちょっとしたシステムを作りたい」「Excel業務を自動化したい」と考えたときに、「情シスならできるでしょ?」と無茶振りされることがよくあります。
特に中小企業では、エンジニアが社内にいないことが多く、システム開発を外注するとコストがかかるため、「情シスがプログラミングを覚えて対応すればいいのでは?」という空気になることも。
情シスがプログラミングをやる羽目になる理由
既存の業務システムが使いにくい
企業が導入しているERPやSaaSツールは、標準機能だけでは業務にフィットしないことがあります。その結果、「この機能を追加したい」「データの出力形式を変えたい」といった要望が発生し、APIを使って独自のツールを作る必要が出てくるのです。
手作業を減らすための自動化
情シスの仕事は膨大ですが、人手が増えない場合、作業を自動化するしかありません。
- バッチ処理の自動化(PowerShell、Python、Bashなど)
- Excelマクロ(VBA)による業務効率化
- SaaSのAPI連携でデータ処理を自動化
- RPAツール(UiPath、Power Automateなど)の導入
こうしたスクリプトやツールを作るために、情シスがプログラミングを覚えざるを得なくなるのです。
外注コストを削減するため
プログラムを外注すると、それなりにコストがかかります。例えば、ちょっとしたデータ処理ツールを作るだけでも、開発会社に依頼すれば数十万円単位の費用が発生します。そのため、「情シスが自分で作ればタダで済む」と考える経営層が多いのも現実です。
情シスが身につけるべきプログラミングスキル
基本的なスクリプト言語
情シスがプログラミングをするなら、シンプルなスクリプト言語を押さえておくと便利です。
- PowerShell(Windows環境の自動化)
- Bash(Linuxサーバー管理)
- Python(データ処理・自動化)
- VBA(Excel業務の効率化)
特に、PowerShellとPythonは情シス業務と相性が良いので、学習しておくと業務効率が大幅に向上します。
Webシステム開発の基礎
業務システムのカスタマイズやSaaS連携を行う場合、Web関連の技術も知っておくと役に立ちます。
- HTML / CSS / JavaScript(Webフロントエンドの基礎)
- PHP / Python / Node.js(簡単なWebアプリ開発)
- SQL(データベース操作)
- API連携(REST API / GraphQLの利用)
SaaSのAPIを活用すれば、Googleスプレッドシートと社内システムを連携させるなど、業務を便利にするツールを作成できます。
クラウドとインフラの知識
AWSやAzureを利用する企業も増えており、クラウド上での自動化スクリプトを作成することもあります。そのため、Infrastructure as Code(IaC)の概念や、Terraform、AWS Lambdaなどのツールを知っておくと役立ちます。
まとめ
一人情シスの仕事は、単なるヘルプデスクではなく、ネットワーク管理、システム運用、セキュリティ対策、そしてプログラミングまで多岐にわたります。
特に、業務の効率化やコスト削減のために、プログラミングを求められるケースが増えており、スクリプト言語やWeb技術の習得が不可欠になっています。
もし「情シスなのにプログラミングをやる羽目になった…」と嘆いているなら、前向きに捉えてエンジニアスキルを身につけるチャンスと考えるのも一つの方法です。スキルを磨けば、より幅広いキャリアの選択肢が開けるかもしれません。