上司「どうやって直したの?」→俺「何もしてません」

こんばんは!IT業界で働くアライグマです!

エンジニアとして働いていると、一度は経験する不可解な現象――「何もしていないのに直った」という事態。上司やクライアントに「どうやって解決した?」と聞かれても、正直に「何もしてません」と答えるしかない。しかし、このような現象には必ず理由があり、ただの偶然ではないことが多いです。

この記事では、「何もしなくても直ったバグ」の正体とその背景にある原因、再発防止のためにできることについて深掘りしていきます。

「何もしなくても直った」現象とは?

エンジニアなら誰しも一度は経験したことがあるでしょう。さっきまでエラーが出ていたのに、突然正常に動作し始める。原因を調べようとしてもログには特に異常が見当たらず、再現もできない。

このような現象が起きると、上司やチームメンバーに報告する際に困ることになります。「何もしていません」としか言えないのは、エンジニアとしては納得できない状況です。

では、こうした「勝手に直った」問題はなぜ発生するのでしょうか?

「何もしなくても直った」バグの主な原因

キャッシュの影響

ブラウザやアプリ、サーバーは多くの場合、データをキャッシュしています。古いキャッシュが原因でエラーが発生していた場合、キャッシュの自動更新や削除によって問題が解決することがあります。

  • クライアント側のキャッシュ(ブラウザキャッシュ、アプリキャッシュ)
  • サーバー側のキャッシュ(CDN、データベースクエリキャッシュ)
  • DNSキャッシュ(ネットワークレベルでのキャッシュ)

外部API・サービスの一時的な不具合

システムが外部APIを利用している場合、一時的な障害が発生することがあります。特にクラウドサービスやSaaSを利用している場合は、バックエンド側の問題で一時的にエラーが発生することがあり、サービス側で修正されると正常に戻ります。

レースコンディションや非同期処理の影響

非同期処理や並行処理が絡む場合、処理の順番によってエラーが発生することがあるため、環境やタイミングによって正常に動作したりしなかったりすることがあります。

環境要因(ネットワーク・サーバー負荷)

ネットワークの瞬間的な遅延やサーバーの負荷が原因で、一時的にエラーが発生することがあります。

  • サーバー負荷の影響でタイムアウトしたが、負荷が下がると正常に動作する
  • ネットワークの瞬断によりリクエストが失敗したが、リトライに成功する

ヒューマンエラー(誰かが修正した)

チーム開発では、誰かが裏で修正を行っていた可能性もあります。環境変数の更新、設定ミスの修正、コードのデプロイなど、知らない間に修正が入ることは珍しくありません。

「何もしなくても直った」を防ぐための対策

ログと監視を強化する

「何もしていないのに直った」現象の原因を特定するためには、ログを詳細に記録し、監視を強化することが重要です。

  • エラーログの記録(Stack trace、リクエストパラメータ、環境情報)
  • リクエストのトレース(APMツールを活用)
  • 異常検知システムの導入(New Relic、Datadog など)

キャッシュを適切に管理する

キャッシュの影響を減らすために、適切なキャッシュ戦略を設計しましょう。

  • キャッシュの有効期限を適切に設定する
  • 定期的なキャッシュクリアをスケジュールする
  • ブラウザキャッシュを避けるためにバージョン管理を導入する(例: ?v=20240215

外部依存を監視する

外部APIやクラウドサービスの障害は、エンジニアがコントロールできない部分もあります。しかし、監視システムを導入することで、障害の発生を素早く察知することが可能です。

  • APIのステータスページを確認する(例: AWS、Google Cloud)
  • 外部APIのレスポンスを定期的にログに記録する

再現性を高めるためのテストを用意する

「何もしていないのに直った」バグの再発を防ぐために、ユニットテストや統合テストを整備することが重要です。

  • エッジケースを想定したテストを書く
  • レースコンディションを考慮したテストを行う
  • 負荷テストを実施して環境要因の影響を確認する

まとめ

エンジニアにとって「何もしなくても直った」バグは、ただの偶然ではなく、何かしらの理由があります。キャッシュの影響、外部APIの不具合、レースコンディション、ネットワーク問題など、さまざまな要因が絡んでいます。

再発を防ぐためには、ログや監視を強化し、キャッシュや外部APIの管理を適切に行うことが重要です 何もしなくても直る問題を放置せず、再発防止策をしっかりと講じておくことで、より安定したシステム運用が可能になります。

次に「どうやって直したの?」と聞かれたときに、「何もしてません」と答えずに済むよう、しっかりと検証していきましょう。