アラサー未経験でITエンジニアにキャリアチェンジするのは、なぜ大変なのか
こんばんは!IT業界で働くアライグマです。
近年ITエンジニアの需要が急増し、特にプログラミングスキルを持つ人材が重宝されています。こうした背景から、未経験からITエンジニアへキャリアチェンジを考える人も増えています。しかし、特にアラサー世代にとって、未経験でITエンジニアへの転職は一筋縄ではいきません。私自身も2015年1月(当時28歳)にほぼ未経験(新卒時代にJava案件のテスター経験はあった)でITエンジニアにキャリアチェンジしましたが、これが相当大変でした。本記事では、アラサー未経験者がITエンジニアになる際に直面する課題と、その克服方法について詳しく解説します。
学習量の多さと時間的制約
ITエンジニアになるためには、プログラミング言語の習得だけでなく、アルゴリズムやデータ構造、ネットワーク、データベース、セキュリティなど、幅広い技術を学ぶ必要があります。これに加え、最新のフレームワークやツールの使い方を知っておくことも重要です。未経験者が一からこれらのスキルを習得するには、相当な学習時間が必要です。私がITエンジニアにキャリアチェンジした当時より、遥かに多くのスキルを求められていることは間違いありません。
アラサー世代は、学生や20代前半の人たちと比べて家庭や仕事の責任が増える傾向にあります。仕事をしながら転職を目指す人や、子育てや家事をこなしながらの学習が求められる人もいるでしょう。1日に学習に使える時間が限られるため、学習効率を高めるための工夫が不可欠です。オンライン講座や動画・技術本を活用し、スケジュールをしっかりと管理することが重要です。
実務経験の不足とポートフォリオの構築
企業がITエンジニアを採用する際、即戦力として働けるかどうか(もしくは教育コストが安く済むか)が重要視されます。当然、新卒より中途入社の方が多くのことを求められるでしょう。特に未経験者の場合、実務経験が少ないため、これが大きなハードルとなります。技術力があっても、実際のプロジェクトでどれだけ成果を上げられるかが採用のカギとなります。
この点をカバーするために、ポートフォリオを作成することも重要です。ポートフォリオは、自分が学んだスキルを活かして作ったウェブアプリケーションやプログラムなどを紹介するものです。ポートフォリオを通じて、企業に対して「この技術を実際に使える」という証拠を提示することができます。ポートフォリオを作成することにより、エンジニアになるための真剣さを伝えられるという側面もあります。GitHubに自分のコードを公開する、フリーランスで小さなプロジェクトに参加する、オープンソースのプロジェクトに貢献するなどの活動が有効です。
年齢によるプレッシャーと不安
アラサー未経験者がITエンジニアを目指す際に、年齢が心理的なプレッシャーとなることもあります。20代後半から30代に差し掛かると、周囲の同世代がすでに安定したキャリアや家庭を築き始めている中で、自分が新たな分野に挑戦することに不安を感じる人も少なくありません。
また、転職にかかる期間が予想より長引いたり、エンジニアとしての技術習得に思ったより時間がかかる場合、その焦りがさらに強まることもあります。しかし、IT業界は他の職種と比べて「年齢よりもスキルが重視される」業界です。つまり、30代であっても実際に使える技術や経験を持っていれば、年齢を気にせず転職のチャンスがあります。自己肯定感を保ちながら、コツコツと技術を積み上げていくことが大切です。
技術の変化に追いつくことの難しさ
IT業界は技術の進歩が非常に速く、新しいプログラミング言語やフレームワーク、ツールが次々と登場します。未経験からこの業界に飛び込む場合、こうした変化に対応し続けることが大きな課題となります。最新のトレンドを把握し、学び続ける姿勢が求められます。
アラサー世代の場合、すでに他の業界でキャリアを積んできたことが多く、これまでの知識や経験が必ずしもIT業界で直接役立つわけではありません。IT業界では、最新技術やトレンド・モダンな開発言語を使いこなすことも重要視されるため、常に新しい知識を吸収し続ける必要があります。このため、自分の学習スタイルを見直し、効率よく新しい情報を取り入れることが重要です。例えば、業界のニュースを定期的にチェックし、最新技術について学べるオンラインコミュニティに参加することも効果的です。
キャリアチェンジに伴う収入の変動
アラサーでITエンジニアにキャリアチェンジする場合、最初のうちは収入が下がる可能性が高いです。未経験からのスタートであるため、企業が支払う給料も初任給レベルからスタートすることも多いためです。特に、これまで高収入の職種に就いていた場合、収入の減少が大きな負担になることがあります。
また、転職活動が長引けば、無収入の期間ができるかもしれません。これに対処するために、キャリアチェンジ前にある程度の貯金を確保することが重要です。また、転職後の初期収入が安定するまで、パートタイムやフリーランスとして働く選択肢もあります(私の場合は土日にコールセンターでアルバイトをしていました)。将来のキャリアや収入が見込まれるIT業界への転職は、長期的な視野で見ることが大切です。
自己投資と成長の意識が必要
アラサー未経験でITエンジニアを目指すには、自己投資の意識が不可欠です。時間的な投資だけでなく、有料ツールや書籍購入、資格取得にかかる費用など、金銭的な投資も必要になることがあります。また、自己学習を続ける姿勢も重要です。ITエンジニアとして成功するためには、学び続けることが仕事そのものになるため、新しい知識に対する好奇心と向上心が欠かせません。
成功のための戦略とアプローチ
ITエンジニアへのキャリアチェンジを成功させるためには、計画的なアプローチが必要です。
- 学習の効率化:学ぶべき技術やスキルをリストアップし、優先順位をつけて学習します。無理にすべてを学ぼうとせず、自分の目指す分野に特化したスキルを磨くことが効果的です。
- SNS:同じ目標を持つ人々と繋がり、経験や情報を共有することも成長の助けになります。ITコミュニティやイベントに参加し、人脈を築くことがキャリアアップに繋がることもあります。
- プロジェクトベースの学習:実際のアプリケーションやサービスを作ることで、学んだスキルを即実践に移すことができます。これにより、単なる知識だけでなく、実務でのスキルを高めることができます。
まとめ
アラサー未経験でITエンジニアにキャリアチェンジするのは、確かに多くの挑戦があります。学習量の多さや実務経験の不足、年齢によるプレッシャー、技術の進化に対応する必要性など、数々のハードルが待ち受けています。しかし、これらの課題を乗り越えるための計画的な学習と努力、適切なサポートがあれば、成功するチャンスは十分にあります。IT業界は、年齢や経歴よりもスキルと成果が重視される世界です。強い意志と粘り強さを持ち続け、自分のペースで進んでいけば、未経験からの転職でもキャリアを築くことが可能です。